こんにちは。西葛西の個別指導塾:寺子屋SANITTOの新田です。
今週は「将来の夢が決まらない」「やりたいことが見つからない」子どもの進路選択を、どう支えるかについて書きます。
結論から言うと、夢や目標が先に決まらないことは珍しくありません。問題は「夢がない」ことではなく、選択を組み立てる材料(経験・言葉・比較軸)が少ないまま、決断だけを迫られる状態です。支援の焦点は、夢を作ることではなく、意思決定の土台を整えることにあります。
よくあるつまずき:子どもは“やりたいこと”がないのではなく、言語化が難しい
「将来何になりたい?」と聞かれて困る子は、次のどれかに当てはまることが多いです。
・そもそも選択肢(職業・学校・学び方)を知らない
・得意・苦手や価値観が整理できていない
・成功体験が少なく、自信がない
・失敗が怖く、選ぶこと自体を避けている
・周囲の期待が強く、「正解」を探して固まっている
この状態で「夢を決めよう」とすると、子どもはさらに動けなくなります。
寺子屋SANITTOの講師が実践した支援例
ここでは、私が実際に関わったケースをエピソードとして紹介します。
状況
中学生(2年生)。進路の話になると会話が止まり、「別にない」「わからない」「どうでもいい」と答える。とりあえず、高校に進学はしないといけないから勉強に取り組むものの、モチベーションが無いため継続しない。周囲(大人側)は焦り、本人は話題自体を避けるようになっていました。
方針:夢を聞かない。まず“比較できる材料”を増やす
このとき意識したのは、次の3点です。
1)「夢」を語らせるのではなく、探究する
Q.最近、楽しいことは?
A.絵を描くのが楽しい
Q.じゃあ絵を描く仕事とかしたいの?
A.うーん、でも絵で稼ぐのは難しいかな
Q.じゃあ、デザイン系とかはどう?商品のパッケージを書いたり、洋服のデザインとか
A.あんまり面白そうじゃない
Q.じゃあ、美術の教員とかはどう?
A.大学は絵でもいけるの?
Q.いけるよ、先生だとお給料も基本は安定してるしどう?
A.悪くないかも
将来の話が難しい子でも、過去や現在の具体なら話せることがあります。ここから価値観や特性の輪郭を取ります。
このようなカウンセリング的な手法を援用し、さらに"半構造化面接法"というやり方で、相手の考えを引き出しています。
2)選択肢を“点”ではなく“領域”で提示する
ある程度対話から引き出すことができたら、さらに間口を広げて領域化します。
例:
・人と関わる時間が多い領域
→教員、保育士、接客業、営業など…
・1人で机で考える時間が多い領域
→デザイナー、SE、経理など
本人の反応が出やすく、選択が一気に現実味を帯びます。得意不得意を探すことができます
3)決断ではなく「小さな試行」を作る
いきなり進路を決めずに、次のような試行を置きます。
・職業に関する情報収集
・30分だけ職業的な体験に参加する
・その職種で生きていく上で必要な能力を分析する
意思決定は「情報収集→比較→小さな試行→振り返り」の反復で育ちます。一発で決めさせないことが重要です。その中で、目標を自分ごとにしていきます。
結果(支援の現実)
このタイプの支援でよく起きる変化は、派手な“夢の誕生”ではありません。
・「これは嫌」「これはマシ」が言えるようになる
・自分の得意・苦手を言葉にできるようになる
・選択を“自分のこと”として扱えるようになる
・次の行動(見学・体験・相談)に着手できる
進路選択は、夢の話というより、自己理解と意思決定の練習です。
寺子屋SANITTOでできること
寺子屋SANITTOでは、学習指導だけでなく、必要に応じて
・学習の得意・苦手の棚卸し
・自己理解(何が負担で、何が回復要因か)の整理
・進路の比較軸づくり
・見学・体験に向けた質問リスト作成
など、「決める」前の設計を一緒に行います。
「夢がない」こと自体は問題ではありません。材料を整えれば、選択は動きます。
学習相談は、まいぷれ/公式LINE等からご連絡ください。


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