中学生の数学の文章題で手が止まるときは?
式を立てる前の3ステップ
「計算はできるのに、文章題になると式が立てられない」 というときに、最初に確認したい考え方を整理します。
数学の文章題で式が立てられないときは、 いきなり式を作ろうとしないことがポイントです。
まず、 「何を求める問題なのか」 「何が分かっているのか」 「二つの数量がどう関係しているのか」 の順に整理します。
計算ができるのに文章題になると手が止まる場合、 「数学そのものが分からない」のではなく、 文章で示された状況を数学の形へ変換する途中で つまずいている可能性があります。
最新の全国学力調査でも「方法を説明する問題」に課題
文部科学省・国立教育政策研究所は2026年8月3日、 令和8年度全国学力・学習状況調査 の結果を公表しました。
データ量と動画の時間の関係を扱い、 「データ量が1000MBになるとき、 動画の時間がおよそ何秒になるかを求める方法」 を説明する問題が出されています。
分析では、 「点Oと点Dを直線で結ぶ」 「xとyの関係を比例の式に表す」 「1MB当たりの動画時間を求める」 など、使うものには触れていても、 それをどのように使って答えを求めるのかまで 説明できていない答案が見られたとされています。
詳細は、 国立教育政策研究所「中学校数学7 授業アイディア例」 で確認できます。
つまり、 「比例を知っている」 「グラフを知っている」 だけではなく、 それを問題解決にどう使うかまで 整理する必要があります。
文章題を見ると、 出てきた数字をすぐ式に入れようとすることがあります。
しかし、 最初に確認したいのは数字ではありません。
問題の最後に何を聞かれているか です。
ノートに、 「求めるもの:商品の個数」 と書くだけでも構いません。
文章題が苦手な場合、 まずゴールを一つに絞ることで、 必要な情報と不要な情報を区別しやすくなります。
次に、 問題文から分かっている条件を抜き出します。
ここで重要なのは、 文章をそのまま全部ノートへ写さないことです。
長い文章のままだと、 どの数字が何を表しているのか 分からなくなることがあります。
120円 → 1個の値段
2000円 → 合計金額
このように数字の横に意味を書くだけでも、 式を作りやすくなります。
最後に、 数量同士の関係を考えます。
先ほどの例なら、 次の関係です。
そこへ数字や文字を入れると、
となります。
文章題では、 式を暗記するよりも、
「何と何を使えば、 求めたいものにたどり着くか」
を考えることが重要です。
関係が分かりにくい場合は、 次のような方法も使えます。
「公式は覚えているのに文章題ができない」のはなぜ?
文章題では、 少なくとも二つの作業が必要です。
作った式を使って、 正確に答えを求める作業です。
文章で表された状況を、 数・式・表・グラフ・図などへ 置き換える作業です。
例えば比例の公式を覚えていても、 問題文から 「これは二つの数量の変化を考える問題だ」 と判断できなければ、 公式を使うところまで進めません。
そのため、 文章題で間違えたときは、 次の原因を分けて確認する必要があります。
- 計算を間違えたのか
- 式を作れなかったのか
- 何を求めるか読み違えたのか
答えが合った後に「なぜその式?」と確認する
文章題の練習では、 正解したら終わりにしない方法もあります。
1個分の値段を、個数分合わせるから。
このように説明できれば、 式と問題の意味がつながっています。
2026年8月4日に掲載された文部科学省の 次期算数・数学教育に関する取りまとめ案でも、 現在、算数・数学で何を学び、 どのように考える力を育てるかについて 検討が進められています。
これは現時点では確定した 次期学習指導要領ではなく、 ワーキンググループの取りまとめ案です。 資料は8月7日に一部訂正されています。
詳細は、 文部科学省「算数・数学ワーキンググループ取りまとめ(案)」 をご確認ください。
SANITTOとしての見解
数学が苦手な生徒を見るとき、 「計算ができない」と 「文章題ができない」を 同じ問題にしないことが重要です。
例えば、
- 数字だけなら計算できる
- 方程式そのものは解ける
- 例題と同じ形なら解ける
- 文章題になると式を作れない
という場合、 必要なのは計算問題を増やすことだけでは ないかもしれません。
寺子屋SANITTOでは、 どこで止まっているかを確認し、 次の工程に分けて考えます。
以前の内容に抜けがある場合は、 前の単元へ戻ります。
数学は積み重なりが大きい教科なので、 早めに小さなつまずきを確認することも重要です。
家庭でできる「式を作る前の30秒」
文章題を1問解く前に、 次の3つだけ書いてみてください。
式を書くのは、 その後です。
ここまで整理できれば、
と式を作れます。
最初は時間がかかっても構いません。 慣れてきたら、 この整理を頭の中で行えるようにしていきます。
よくある質問
数学の文章題が苦手なのは読解力の問題ですか?
読解が関係する場合はありますが、 それだけとは限りません。 数量の意味が分からない、 関係を式に変換できない、 必要な公式を思い出せないなど、 複数の原因があります。
文章題はたくさん解けばできるようになりますか?
演習量も必要ですが、 同じところで毎回止まる場合は、 問題数を増やす前に 「どの段階で止まったか」を確認した方が 学習内容を決めやすくなります。
図や表を書いてもよいですか?
問題の条件を整理するためには有効な方法です。 特に割合、速さ、関数、図形などでは、 文章だけで考えず、 図・表・グラフへ置き換えると 関係が見えやすくなることがあります。
夏休みに前の学年の数学へ戻ってもよいですか?
問題ありません。 現在の単元に必要な計算や方程式、 比例・反比例などに抜けがある場合は、 前の学年へ戻って確認する方が 進めやすくなります。
まとめ
文章題では、式を作る前に3段階で整理する
数学の文章題で手が止まったら、 すぐ式を考えるのではなく、 次の3段階に分けてみましょう。
全国学力調査でも、 数学の知識を使うだけでなく、 表・式・数値などをどのように使って 問題を解くのか説明することに 課題が見られています。


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