いわゆる「高校無償化」は、高校生活にかかる費用がすべて無料になる制度ではありません。現在の国の制度は主に授業料を支援する「高等学校等就学支援金」です。2026年9月3日に公表された2027年度(令和9年度)概算要求では、授業料以外を支える制度について、タブレット・PCなど学習者用端末の購入費相当額の支援も新たに検討されています。ただし、これは現時点では予算要求段階で、実施が決まったものではありません。
「高校無償化になったら、本当に高校へ無料で通える?」
「私立高校でも授業料はかからない?」
「タブレットや制服、教材費も無料になる?」
高校進学を考える中学生のご家庭では、こうした疑問もあると思います。
文部科学省は2026年9月3日、「高校生等への修学支援」ページを更新し、令和9年度の概算要求を公表しました。
今回は、「高校無償化」という言葉だけでは分かりにくい授業料と、それ以外の高校生活にかかる費用を分けて整理します。
まず結論|「高校無償化=全部無料」ではない
文部科学省自身も、「高校無償化」という表現より、授業料を支援する「高等学校等就学支援金」が制度として正確な表現だと案内しています。
つまり、現在の制度で中心となっているのは授業料への支援です。
2026年度からの国の主な支給上限額
- 公立高校等:年11万8,800円
- 私立高校等:年45万7,200円
- 私立高校等の通信制課程:年33万7,200円
新制度では所得制限が撤廃されています。
一方、高校生活では授業料以外にも、入学時の費用、教科書・教材、学用品、通学用品、端末、学校行事や部活動などの費用がかかる場合があります。
「授業料の支援」と「高校生活に必要な費用のすべてが無料」は別の話です。高校を比較するときは、授業料だけではなく年間で必要になる費用全体を確認しましょう。
2027年度はタブレット・PC購入費の支援も検討
今回、2026年9月3日に公表された令和9年度概算要求で注目したいのが、「高校生等奨学給付金」です。
高校生等奨学給付金は、授業料ではなく、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、入学学用品費、教科外活動費、通信費などを支える制度です。
令和9年度概算要求では、新たに、
- 学習者用端末の購入費相当額の支援等を検討
- 新入生への給付時期を抜本的に早める仕組みを検討
と明記されています。
高校では学習用端末を必要とするケースもあり、入学時には制服や教材など複数の費用が重なるため、実現すれば家計負担に関係する変更です。
ただし、ここは重要です。
端末購入費への支援は、2026年9月3日時点では「令和9年度概算要求」における検討事項です。支給額・対象者・開始時期を含め、まだ確定した制度ではありません。
給付が早くなる可能性も|入学時の負担を意識した見直し
もう一つのポイントが、給付時期です。
概算要求では、新入生について4月時点の情報を使って年額を給付する仕組みに改善し、給付時期を大幅に早めることが検討されています。
高校入学時は、授業料以外にもさまざまな費用が集中しやすい時期です。
そのため今回の要求は、「年間でいくら支援するか」だけではなく、家庭が実際に費用を必要とする時期と支援のタイミングを近づける方向の検討と見ることができます。
東京都では国とは別の私立高校授業料支援もある
西葛西・清新町を含む東京都の家庭では、国の制度だけでなく東京都の制度も確認する必要があります。
東京都では、私立高等学校等授業料軽減助成金があり、生徒と保護者が都内に住所を有するなどの要件を満たせば、所得にかかわらず、国の就学支援金等と合わせて都内私立高校の平均授業料相当まで授業料負担を軽減する仕組みがあります。
東京都の家庭は「国」と「都」を分けて確認
- 国:高等学校等就学支援金
- 東京都:私立高等学校等授業料軽減助成金など
- 授業料以外:奨学給付金など別制度を確認
制度ごとに対象・申請が異なるため、「自動的にすべて適用される」と考えず、学校からの案内と東京都・文部科学省の最新情報を確認してください。
高校選びでは「授業料以外」も確認する
高校を比較するとき、これからは「授業料はいくら?」だけでは十分ではない場合があります。
学校説明会や募集要項では、次のような費用も確認してみてください。
- 入学時に必要な費用
入学金、制服、教材など。 - 端末にかかる費用
学校指定端末か、個人端末を利用できるか。 - 年間の学校徴収金
教材、行事など、授業料以外の費用。 - 利用できる支援制度
国・東京都それぞれで、何を申請する必要があるか。
SANITTOでは、高校説明会で確認したいポイントも紹介しています。
SANITTOとしての見解|「無償化したから私立」でも「費用が不安だから公立」でもなく
寺子屋SANITTOでは、高校選びを費用だけで決める必要はないと考えています。
一方、費用を一切見ずに学校を選ぶのも現実的ではありません。
授業内容、進路、通学時間、本人との相性とともに、実際の年間負担額と利用できる支援制度を確認したうえで比較することが重要です。
国や東京都による授業料支援が拡充されることで、これまで費用だけを理由に候補から外していた学校を検討できる家庭もあるかもしれません。
ただし、「無償化」という言葉だけを見て判断せず、入学後の実際の費用まで確認しましょう。
高校の種類そのものから迷っている場合は、東京都の最新調査から中学校卒業後の進路を整理した記事も参考にしてください。
家庭でできる「高校費用4項目チェック」
- 授業料はいくら?
- 授業料以外に年間いくら必要?
- 国・東京都のどの支援制度を使える?
- 申請時期と、実際に支援される時期はいつ?
この4点を同じ条件で学校ごとに整理すると、「授業料」だけでは見えなかった実際の負担を比較しやすくなります。
よくある質問
高校無償化で高校生活の費用は全部無料になりますか?
いいえ。国の高等学校等就学支援金は主に授業料を支援する制度です。入学金、教材費、制服、端末、学校行事など、授業料以外の費用は別に確認する必要があります。
2026年度の就学支援金に所得制限はありますか?
新制度では所得制限はありません。ただし、国籍・在留資格等を含む対象要件があるため、詳細は文部科学省や学校からの案内を確認してください。
2027年度から高校生のタブレット代が無料になりますか?
まだ決まっていません。2026年9月3日に公表された令和9年度概算要求では、学習者用端末の購入費相当額の支援等を新たに検討するとされています。対象、金額、実施の有無は今後の予算編成・制度決定を確認する必要があります。
東京都の私立高校は国の制度だけ確認すればよいですか?
東京都には国とは別の授業料軽減助成制度があります。対象になる場合はそれぞれの制度で申請が必要になるため、東京都・学校の最新案内も確認してください。
高校選び・受験勉強を「今どこから始めるか」から整理します
寺子屋SANITTOでは、西葛西・清新町、葛西など江戸川区周辺の中学生・高校生を対象に、高校受験、進路選び、定期テスト、家庭学習などのご相談を受け付けています。「志望校をどう選べばよいか分からない」「受験に向けて何を優先すればよいか分からない」という段階からでもご相談いただけます。
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- 文部科学省「高校生等への修学支援」(2026年9月3日更新)
- 文部科学省「令和9年度概算要求 高校生等への修学支援」
- 東京都「私立高等学校等授業料軽減助成金」(2026年8月6日更新)
情報確認・執筆日:2026年9月3日


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